投資用不動産の物件保有数、買取再販数において福岡県内トップクラスの実績を誇るネクスウェイブ株式会社。ビジョンマップを通して経営理念を明文化することで会社のブランド力向上に取り組んでいます。今回は代表取締役の木下 晃一様にB-SCORE導入の経緯や導入効果についてお話しをお伺いしました。
明文化した経営理念をより深く浸透させることが課題
B-SCORE導入時における会社の課題を教えてください。
当社では経営理念をビジョンマップというかたちで明文化していますが、細部まで浸透しているとは言えない状態でした。特に業務における判断軸において、部下が上司に提案する際に「自分たちはこう思う」という考えや意見がなく、「どうすればいいですか?」と受け身のスタンスが多い状態でした。例えば、仕入れる物件の良し悪しを判断する際にも、判断軸に関する理解が甘く、結果として仕入れができず仕入れ数が減ることで売り上げの鈍化に影響することもありました。このような判断軸は経営理念の一環として定義をしていましたが、思っている以上に浸透しておらず多方面で課題を感じていました。
理念浸透における取り組みの成果を可視化することが目的
B-SCORE導入の経緯と目的を教えてください。
今から2年ほど前、経営理念を明文化する前の話になりますが、他の社内満足度調査のようなサーベイを導入したことがありました。当時は社長や役員が一方的に社員に考えを押し付けるような環境で、社員が主体的に行動してほしいという思いがあったものの、なかなか組織を変えることができませんでした。そのため社員たちがどう思っているのか知るために導入しました。結果、平均値以上の成績ではありましたが多くの課題が浮き彫りになりました。それから2年、経営理念を明文化し浸透させるための取り組みを行なってきたことで組織がどう変わったのか、社員全員が理念をどう認識しているのか、また、2年間で会社はどのように成長したのかを確認するためにB-SCOREを導入してみることになりました。
組織形成における強みと課題を明確に把握することができた
B-SCOREの診断結果を通しての感想を教えてください。
まず一つ目は、業務のやりがいに関する数値が高かったことが嬉しかったです。以前は社長である私の考えを押し付けているようなところがあったので、どちらかというとやりがいは低かったと思います。例えば、新しい営業手法など、私や役員が考えたことに対して、社員の熱量を上げることができず、上手くいかない取り組みも多くありました。しかし、経営理念を明文化し浸透のための取り組みを進めている今、当時と同じ取り組みであったとしても姿勢や熱量が違うことで社員が主体的に動くことができ、上手くいくようになっています。そして二つ目は、「自己成長の実感」に関する数値が高かったことも嬉しくと思います。2年前までは、成長意欲はあるけれども成果が伴わないというケースが多くありました。これまで会社の売上の多くを役員がつくっていたのが、今では割合が逆転し、ほとんどの売上を社員がつくってくれています。「押し売りをしない」というネクスウェイブの営業スタンスが、一人一人に浸透することで自己成長、更には成果へと繋がっていることを再認識することができました。
課題に対する改善策や今後、B-SCOREに期待することを教えてください。
人事評価の確立に関する項目が課題として浮き彫りになりました。この点はB-SCOREを導入する前から明確になっていたこともあり、現在、新たな評価制度を構築しているところです。特に、営業職以外のメンバーにおける評価軸を強化していく予定です。営業職は数字で評価するのが比較的容易ですが、それ以外の、マーケティングやバックオフィスといった職種は成果の定量化がしずらく評価基準の作成が難しくなります。そこをマインド面などと掛け合わせることで当社独自の評価システムを構築しています。今後、評価制度を運用することで、B-SCOREの成績がどのように変化していくかが楽しみですね。
サーベイ導入の目的を理解することでスムーズな運用が可能に
B-SCORE導入における感想や社内の反応を教えてください。
質問内容が難しく感じる項目もあり、回答に時間がかかるところもありましたが大きな問題はなく導入/実施することができました。B-SCOREは理念の浸透度を図ることだけが目的ではなく、社員満足度調査を含めたトータル的なブランド力の測定が目的であり、その意図や目的を社員が理解していることでよりスムーズな導入に繋がると思います。普段、社員が思っていることや感じていることがあっても気を遣って言えない、なかなか聞き出せないというケースもあるかと思います。そのような際にサーベイを通して数字で可視化できることは非常に効果的であると考えています。